お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

7日目(20~22番)10月8日

◯歩数 52942歩

◯距離 約35km

◯出費

・雑費(手拭い) 500円

・食費 910円

 

結論から言うと、今日の歩き方が最たる原因で後に左膝を疲労骨折することになる。

朝05:00起床、06:30頃出発。今日の予定は山の上にある20番と21番を打ち下山。麓の「道の駅わだち」で野宿であった。もし予定通りここに野宿して順調にいけば、今頃私は自宅でブログを書くのでは無く、足摺岬くらいまでは進んでいたと思う・・・。

 

登り始める。きついけれど、3日目の焼山寺と比べればどうってことない。

景色が綺麗

なんなく到着する。

20番鶴林寺

鶴林寺の鶴のマークがなかなか可愛くて、これがプリントされた手拭いがあったので買った。

納経を済ませ休憩していると、昨日は全く見かけなかった歩き遍路の方達が続々とやってくる。そのうちの1人と話をした。驚くことにお遍路8回目だと言う。3回でも驚いたが、8回・・・なんなら近くにいるあのおじさんなんて30回目だよとも教えてくれた。すごい。お遍路8回目のベテランさん曰く、今のペースなら22番まで今日余裕で着けるという。これを聞いた私は当初の予定を無視して攻めることになる。

いや、攻めることはそこまで悪くはなかったのかもしれない。下山の仕方に問題があった。鶴林寺から降りるときに山道を駆け降りてしまった。12〜13kgはあるザックを背負って。膝への負荷が凄いなと思いつつまあ平気だろうと・・・案の定膝が笑うので休憩はしたが下りなのでかなり走ったと思う。今となっては本当に馬鹿なことをしたと思う。経験の無さもあるが、自分の体力やら筋力やらを過信し過ぎていたと思う。そもそも学生時代もずっと文化部だったし、体育も苦手だった。軽登山くらいの経験しかなければ、運動で怪我をした経験はほぼ無し・・・。

結局今振り返ると走ったところでそんなに差がつかないんだよね。徒歩と重い荷物を持っての小走り。確かに若干は早いと思うけど、さしずめ数十分しか変わらない。走れば体力の消耗も激しいし休憩時間も長くなる。だから普通にペース保持して歩き続けるのが1番良い。後に疲労骨折してこのことにやっと気がつきました。

 

上記のことを気づかない愚かな私は依然として急ぎ足で21番へ向かっていた。

途中、廃小学校がありトイレも借りられるし野宿もできるらしい。しかし1人でここに野宿するのはちと勇気がいる。(私はかなり臆病な性格である)近くに遍路小屋もありゴミ箱まで設置されている。

廃小学校で野宿するよりかは、こちらの遍路小屋?の方が私は良い。見える範囲に民家もあるし。 

ところで野宿の場所をどのようにその人が探してアプローチしているのかって言うのをブログで書いてる人があまりいない印象を受ける。まあ野宿の母数が少ないのもあるし、そもそもこれはかなりグレーゾーンな行動である。野宿の情報サイトもフル活用させて頂いているが、正直実際の場所は気味が悪くてテントなんか張る気にならない場所も多い。私が臆病なだけだが。私なんかよりずっとタフな人なら山の中の休憩小屋でも野宿できるのかしら。私は山では1人では絶対無理だ。(野宿向いてないのかも)

 

川を渡る。こんなに綺麗な色をしている川を見たのは初めてだ。感動してテンションが上がる。

21番太龍寺

そして太龍寺に着く。

天井に龍の絵が描かれていて、結構有名らしい。太龍寺はケーブルカーもあるし、観光客も一定数いるのかな。

そしてまた山を駆け降りる・・・

当初の予定の「道の駅わじき」に着いたのが13:10だった。朝考えていたよりずっと早く着いた。ここでお昼ご飯のうどんを食べた。この選択も後に悪い方に転ぶ。かなり休んで14:00出発。平等寺に着いたのが15:20くらい。

22番平等寺

そういえばここにくる途中アメリカ人の女性の歩き遍路さんと会って少し話をしたのだが、私の職場と昔ちょっと絡みがあったらしくとても驚いたし、もちろん相手も驚いていた。

ここまで来ると、この周辺に野宿できそうなところが無くて、海岸沿いの「たいのはま」の遍路小屋までいくしかない。途中小さな休憩所はあるけど気味が悪い。たいのはままで13km。16:00に平等寺を出発。この時は日没が18:00くらいで、1時間は暗い夜道を歩くことになってしまう。またしても・・・お昼のうどんを食べずに来ていれば明るい内にたどり着けたかもしれない。ちょっと後悔する。食糧は他にもいろいろ持っていたのだし。

結果的に4km程真っ暗な県道の峠道を歩くことになった。ヘッドライトはかなり良いものを持ってきている。(レッドレンザー)それからランタンも持ってきているので照明が切れる心配はない。が、夜は気味が悪い。何かでそうだ。獣やらなにやらが。そして怖くなって緩い下り坂をひたすら小走りした。これも膝にかなり負担になったと思う。

道中1度だけ道路の斜面でカサカサと何かが動いていた。「あっちいけ!」と叫びながら走り去るぼく。ビビり散らかすぼく。30歳のぼくちゃん・・・だめだこりゃ!たぶん小さいイノシシだったんだと思う。ちょっと怖い思いをしながら進みようやく海岸沿いの街に出る!街というよりかは村かな。家の明かりと道路の照明の安心感といったら、言葉に表現することはできぬ。そしてたいのはまの遍路小屋に着いたのが19:00過ぎとかだった。

以降、街では無い夜道を歩くのは絶対やめようと決心する。体力的にも精神的にもかなりきつい。

写真は朝撮ったもの。オーシャンビューである。

 

 

明日に続く。