37日目(87番,88番大窪寺)11月30日
◯歩数 26044歩
◯距離 約13km(88番大窪寺まで)
◯出費
・食費 1426円
・お守り 900円(3000円分クーポン使用)
・交通費 バス200円 JR,新幹線18030円
朝6時起床。朝食を済ませ、7時に出発。
朝ごはんもおかわりした。
宿の前で記念撮影。
同じ歩き遍路のおじさんに撮ってもらう。が、看板が切れてるんだよな笑
おじさんのも撮ってあげる。ちゃんと看板も入れて。
そのおじさんも含め他の人はみんな昨日のうちに長尾寺を打ち終えているらしく、先に行く。
長尾寺は宿の向かい側にある。
ゆっくり丁寧にお経を読んだ。
さて・・・
最終局面だ。
お遍路の資料館があると
じゃじゃーん!遍路大使任命書だって!これ欲しかったんだよね。ゲットできてよかった。お茶やお菓子も頂いて、サロンの方と色々話をした。
今朝宿を先に出発した人達も先に着いていた。
ジオラマがあったり
お遍路にまつわる資料が結構展示されている。時間に余裕があれば、全部じっくり見て読みたいところだけど、帰りのバスの時間とかもあるのでそうはいかない。
気がつけば、宿が一緒だった人達も出発したみたい・・・
女体山に向けて出発。
これより、結願ロードとなる。
女体山越えのコースは山登りで、国道を迂回するコースは距離が長くなる。が、どちらも所要時間は一緒らしい。
10時過ぎ、アタック開始!
足元を見ながら歩いていると、突然「パーンっ」という破裂音が山の中に響き渡る。
そして顔を上げたその瞬間。
「うおおおおおおおおおおおお」
「バーン!!!パキッ!!!」
「・・・・・・・・・・」
本当に一瞬の出来事すぎて叫ぶことしか出来ず、体が動かなかった。
この目の前の階段に横たわってる竹、これが根本から折れて倒れきた・・・
倒れてくる時、2秒くらいなのにスローモーションになっていた。
本当に危なかった。2、3メートル先に倒れたから無事だったけど、あとちょっとペースが早かったら確実に直撃していた。こんなんでも当たりどころが悪かったら怪我だけじゃ済まないだろう。
実はこのちょっと手前で、ザックのベルトを締め直すために立ち止まっていたんだよね。
運がよかったとしか言いようがない。
そしてなんだか見えざる力を感じずにはいられない。
この長い長い巡礼の旅路で、ついにこれから結願という矢先、何百年の歳月の間にお遍路の果てに虚しくも行き倒れた数知れぬ物故者たちの魂たちが、僕の行手を阻もうとした。
あるいは、その存在を示そうとした。という感じで、どうしても考えてしまう。
皆さんは、どう思われますでしょうか。まあ偶然に過ぎないけど、とにかく怪我しなくて良かった〜
気を取り直して前進あるのみ。
あと⒈4キロ
11:20、朝ごはんいっぱい食べたのにお腹が減ってしまった。
今朝買っておいたおにぎりを食べる。
誰もいない。曇りで少し肌寒い。
車道もあるけど車は通らない。
鬱蒼とした雰囲気が俄に感じられる。怖くなりそうだけど、不思議とそんな気にはならない。
おにぎりを食べ終え最終アタック開始!
あと300メートル。
最後に現れたのは、岩がゴロゴロした尾根を登るコースだ!
斜度は40度を超えているだろう。
写真だと分かりづらいけど、むっちゃ危険ですここ。登山かよ。
尾根なので、両サイドは崖でした。
最後手摺が設置されているところをよじ登る。
そして・・・
11:50、女体山登頂。
曇っているけど景色が綺麗だ!
テンションは最高潮を迎える。1人ではしゃぐ。1人で記念撮影。
標高は774メートル、風も冷たく寒い。
古いが東屋もある。
ここから大窪寺までは300メートル程標高が下がる。
残り1000メートル・・・
最後の1kmは、まるで引き伸ばされたゴムのように時間も距離も長く感じた。
まだ着かない、まだ終わらない、でも残り数百メートルしかない。
早く着きたい、いやでも、もう少し歩いていたい。
熱いものが込み上げてくる。
涙は溢れはしなかった。
眼下に境内が見えた。
本当にゴールに辿り着くらしい・・・
10月2日に羽田から飛行機に乗った。
あれから、60日が経過していた。
途中、何度も、否、数え切れないほど、辞めようと思った。
悔しくも帰宅せねばならぬ時もあった。
長い長い旅路の途中で出会った人達、綺麗な景色。
たくさんの想いが詰まっている・・・
心をあらい
心をみがく
へんろ道
良い詩だ。
12:30、大窪寺到着。
この旅のゴールである。
本堂前にて
こちらは大師堂
納め札入れ
こちらは納経所
山門にて
本堂と大師堂で、心を込めてゆっくり参拝をした。
お賽銭は残っていた5円玉全部と、道中お金をよく拾ったので、それらも合わせて奉納した。
納経所で、家族5人分のお守りを買った。(旅行支援のクーポンも使えたのはありがたい)
きっとご利益あると思う。自分にはこの納経帳がある。
「結願証」と言って、賞状が2000円で買えるんだけど、買うか迷った。ずっと欲しいなと思っていたけど、いざ実際結願してみたらそんなに欲しく無くなってしまった。
バスまでの時間、そのお守りを選んだり、写真を撮ったり、名物のたらいうどんを食べて過ごした。
この88番で結願したあと、また1番に戻る人も結構いるらしく、(それをお礼参りと呼ぶ)
自分も行こうかなと迷った時もあったけど、辞めておいた。このまま、また歩いたら、本当に四国病に罹患してしまいそうだから笑
僕の目標は、お遍路を通して四国を歩いて一周すること。厳密に言えばまあ繋がってはいないけど、そこへの拘りはあまり無くて、88番まで来れて満足です。
14時、バスに乗る。数週間振りの乗り物だ。
午前中歩いてきた道を、あっという間に通り過ぎていく。
JRで高松まで行き、瀬戸大橋を渡り、岡山駅でのぞみに乗った。
新幹線の改札前は、忙しなく人々が行き交っている。
僕は現実に引き戻される感覚になった。
もう地図を広げる必要もない。
僕には帰るべき家がある。