37日目(87番,88番大窪寺)11月30日
◯歩数 26044歩
◯距離 約13km(88番大窪寺まで)
◯出費
・食費 1426円
・お守り 900円(3000円分クーポン使用)
・交通費 バス200円 JR,新幹線18030円
朝6時起床。朝食を済ませ、7時に出発。
朝ごはんもおかわりした。
宿の前で記念撮影。
同じ歩き遍路のおじさんに撮ってもらう。が、看板が切れてるんだよな笑
おじさんのも撮ってあげる。ちゃんと看板も入れて。
そのおじさんも含め他の人はみんな昨日のうちに長尾寺を打ち終えているらしく、先に行く。
長尾寺は宿の向かい側にある。
ゆっくり丁寧にお経を読んだ。
さて・・・
最終局面だ。
お遍路の資料館があると
じゃじゃーん!遍路大使任命書だって!これ欲しかったんだよね。ゲットできてよかった。お茶やお菓子も頂いて、サロンの方と色々話をした。
今朝宿を先に出発した人達も先に着いていた。
ジオラマがあったり
お遍路にまつわる資料が結構展示されている。時間に余裕があれば、全部じっくり見て読みたいところだけど、帰りのバスの時間とかもあるのでそうはいかない。
気がつけば、宿が一緒だった人達も出発したみたい・・・
女体山に向けて出発。
これより、結願ロードとなる。
女体山越えのコースは山登りで、国道を迂回するコースは距離が長くなる。が、どちらも所要時間は一緒らしい。
10時過ぎ、アタック開始!
足元を見ながら歩いていると、突然「パーンっ」という破裂音が山の中に響き渡る。
そして顔を上げたその瞬間。
「うおおおおおおおおおおおお」
「バーン!!!パキッ!!!」
「・・・・・・・・・・」
本当に一瞬の出来事すぎて叫ぶことしか出来ず、体が動かなかった。
この目の前の階段に横たわってる竹、これが根本から折れて倒れきた・・・
倒れてくる時、2秒くらいなのにスローモーションになっていた。
本当に危なかった。2、3メートル先に倒れたから無事だったけど、あとちょっとペースが早かったら確実に直撃していた。こんなんでも当たりどころが悪かったら怪我だけじゃ済まないだろう。
実はこのちょっと手前で、ザックのベルトを締め直すために立ち止まっていたんだよね。
運がよかったとしか言いようがない。
そしてなんだか見えざる力を感じずにはいられない。
この長い長い巡礼の旅路で、ついにこれから結願という矢先、何百年の歳月の間にお遍路の果てに虚しくも行き倒れた数知れぬ物故者たちの魂たちが、僕の行手を阻もうとした。
あるいは、その存在を示そうとした。という感じで、どうしても考えてしまう。
皆さんは、どう思われますでしょうか。まあ偶然に過ぎないけど、とにかく怪我しなくて良かった〜
気を取り直して前進あるのみ。
あと⒈4キロ
11:20、朝ごはんいっぱい食べたのにお腹が減ってしまった。
今朝買っておいたおにぎりを食べる。
誰もいない。曇りで少し肌寒い。
車道もあるけど車は通らない。
鬱蒼とした雰囲気が俄に感じられる。怖くなりそうだけど、不思議とそんな気にはならない。
おにぎりを食べ終え最終アタック開始!
あと300メートル。
最後に現れたのは、岩がゴロゴロした尾根を登るコースだ!
斜度は40度を超えているだろう。
写真だと分かりづらいけど、むっちゃ危険ですここ。登山かよ。
尾根なので、両サイドは崖でした。
最後手摺が設置されているところをよじ登る。
そして・・・
11:50、女体山登頂。
曇っているけど景色が綺麗だ!
テンションは最高潮を迎える。1人ではしゃぐ。1人で記念撮影。
標高は774メートル、風も冷たく寒い。
古いが東屋もある。
ここから大窪寺までは300メートル程標高が下がる。
残り1000メートル・・・
最後の1kmは、まるで引き伸ばされたゴムのように時間も距離も長く感じた。
まだ着かない、まだ終わらない、でも残り数百メートルしかない。
早く着きたい、いやでも、もう少し歩いていたい。
熱いものが込み上げてくる。
涙は溢れはしなかった。
眼下に境内が見えた。
本当にゴールに辿り着くらしい・・・
10月2日に羽田から飛行機に乗った。
あれから、60日が経過していた。
途中、何度も、否、数え切れないほど、辞めようと思った。
悔しくも帰宅せねばならぬ時もあった。
長い長い旅路の途中で出会った人達、綺麗な景色。
たくさんの想いが詰まっている・・・
心をあらい
心をみがく
へんろ道
良い詩だ。
12:30、大窪寺到着。
この旅のゴールである。
本堂前にて
こちらは大師堂
納め札入れ
こちらは納経所
山門にて
本堂と大師堂で、心を込めてゆっくり参拝をした。
お賽銭は残っていた5円玉全部と、道中お金をよく拾ったので、それらも合わせて奉納した。
納経所で、家族5人分のお守りを買った。(旅行支援のクーポンも使えたのはありがたい)
きっとご利益あると思う。自分にはこの納経帳がある。
「結願証」と言って、賞状が2000円で買えるんだけど、買うか迷った。ずっと欲しいなと思っていたけど、いざ実際結願してみたらそんなに欲しく無くなってしまった。
バスまでの時間、そのお守りを選んだり、写真を撮ったり、名物のたらいうどんを食べて過ごした。
この88番で結願したあと、また1番に戻る人も結構いるらしく、(それをお礼参りと呼ぶ)
自分も行こうかなと迷った時もあったけど、辞めておいた。このまま、また歩いたら、本当に四国病に罹患してしまいそうだから笑
僕の目標は、お遍路を通して四国を歩いて一周すること。厳密に言えばまあ繋がってはいないけど、そこへの拘りはあまり無くて、88番まで来れて満足です。
14時、バスに乗る。数週間振りの乗り物だ。
午前中歩いてきた道を、あっという間に通り過ぎていく。
JRで高松まで行き、瀬戸大橋を渡り、岡山駅でのぞみに乗った。
新幹線の改札前は、忙しなく人々が行き交っている。
僕は現実に引き戻される感覚になった。
もう地図を広げる必要もない。
僕には帰るべき家がある。
36日目(83番〜86番)11月29日
◯歩数 48737歩
◯距離 約34km
◯宿 「結願の宿・ながお路」(旅行支援割利用)
◯出費
・食費 226円
・洗濯 300円
・宿 4158円(夕食・朝食付き)
朝7時過ぎに出発。今日は天気があまりよろしく無い。雨は降ったり止んだりのようだ。
お寺までは1キロもないのですぐ到着。
次のお寺までは14kmくらいある。
雨の中歩いていく。
09:30頃、お腹が減ったので松乃屋に入店。9キロくらい進んだかな。
ちょうど雨も止む。
ロースカツを頼む。
11:30到着。
と思ったら、山門がもう一つあった。
もう12時になってしまったので先を急ぐ。
お寺を出たところに廃ホテルがある。
「でした」とシールが貼られている。
状況はこんな感じ・・・
荒らされ放題である。ガラスは見ての通り割られていて、天井の内張も腐って落ちている。景観損ねているのは言うまでもないけど、近づくのも危ない。
標高150メートル程を一気に降りる道。かなり急らしい。しかも雨の後だ。
いざ。
降り始めるとすぐに急勾配になる。傾斜で言えばお遍路で一番かもしれない。
段差の高さが大きい。雨が降ってなくてよかった。
ここ、距離は短いけど、めちゃくちゃ急なので注意が必要です。
13:30過ぎに到着。ちなみに八栗寺まではケーブルカーがある。
下山しながら今日はどこまで進むか迷う。
宿の予約もしないとだし、志度寺までは行けるけど、その近所に泊まるか、足を伸ばして長尾寺まで行くか・・・・
ここもめっちゃ急な下り道。
歩きながら考えた結果、ちょっと無理するけど長尾寺前の宿を予約する。夕飯もまだ準備できると言うこと。ありがたい。
山を下り、平地に出たところで、ウォーキングハイモード突入。
志度寺まではあと4kmだ。
なんとか雨は降らずにもっている。
15:20到着。
86番志度寺。
いつもと同じように蝋燭に火をつけて、線香を立てる。
納め札を納め、賽銭を入れて、ゆっくりお経を読む。
残すところあと数回になってしまった。
そういえば、踵の痛みは無いことは無いけど、登山靴履いてトレッキングポール使っているのでそこまで影響はない。
16時過ぎに出発。宿まであと7キロくらい。
看板に大窪寺が現れる・・・
暗くなってから歩くのは昨日で最後だと思っていたけど、結局今日も暗くなってしまった。で17:30くらいからまた大雨・・・カッパを着直して、途中買い物もして、18時に宿に到着。
部屋はこんな感じ。
夕飯もとてもおいしかった。
自分以外にお遍路さんは5人くらいいた。みんなペースが大体一緒で何度か宿が一緒になったりしているらしく顔馴染みらしい。
僕からすると、今の今まで全然歩き遍路の人いなかったのに、どこから湧き出たんだ?という感じだけど、おそらく他の方こそ、この若造はどこからきたんだ???って思っていたと思う笑。
長い長い旅も明日で終わる・・・
35日目(78番〜82番)11月28日
◯歩数 56239歩
◯距離 約36km
◯宿 天然温泉きらら
◯出費
・食費 746円
・宿 3570円
朝06:30出発。
丸亀城を横目に県道を歩いていく。立派な街だ。高知県や愛媛とは大違い笑
朝食はすき家に立ち寄る。
07:50頃、郷照寺到着。
来る途中に大きなお寺があって、間違えて入りそうになっちゃった。寺の名前も違うしなーとか思いつつ笑
歩いていたら公園にかわいい石像があった。なんでウミガメなのかは不明。
坂出駅前のイオンでおにぎりを買う。すぐに出発。
山門なし。09:45到着。隣に神社があって、山門が見つからず少し迷った。
大阪にあるのは天王寺だけど、こちらは天皇寺です。なにが違うのかな?
で、このあと、順番通りに行くよりも81番82番80番の順序で行った方が楽らしい。修行なのに楽して良いのか?!あと、単純に距離が短くなるらしい。高知で出会ったNKさんが教えてくれていたのだ!
なのでその通りにする。
白峯寺までの登りの県道を歩いていると、景色は見渡せる。
瀬戸内海が見える。その奥には。
瀬戸大橋だ!
途中から、車道と登山道に分かれる。
・・・と言っても、果てしなく続く整備された石段。
こんなに長い石段は、お遍路で一番かもしれない。これは結構きつかった笑
そして
12時前に到着。ついに80番台突入です。
ここは五色台という場所で小さい山の上にお寺が2つある感じ。
お腹空いたので、本堂前のベンチに座ってランチとする。
その後参拝して納経所へ
なんか寡黙な住職のお兄さんだったけど、お供物ですが〜と言って色々くれた笑
ありがたい。
次へ進む。
しばらく進むとこんなのがあった。
下乗
遍路道もここからは聖地になるため、乗り物は降りて自分の足で歩けと言うことらしい。
なるほど、ふむふむ。
この右の摩尼輪塔は1321年からここにあるらしい・・・いやどんだけ昔だよって言う。
ここで話は若干お遍路から逸れるけど、先日旅行で京都に行き、その時にまだ行ったことの無かった広隆寺を訪ねました。広隆寺といえば、弥勒菩薩半跏思惟像ですよね。これがずっと見たかった!優しく凛とした佇まいで、手のポーズが印象的で、物思いに耽る感じがとても良い。家に置きたいくらいだ。(国宝)
まあこれの建造は7世紀の飛鳥時代らしいのだけど、他にも沢山の国宝があって、そこには鎌倉時代のものもいっぱいあるわけですね。
京都や奈良には今から1000年も昔のものたちが国宝として大事に大事に保管されてきていて、観光客が世界中からそれら見にやってくる。
ここで話はお遍路に戻ります。
この摩尼輪塔はそんな京都の国宝たちが作られていた時代と同じ頃に作られて、それからずっと700年もの間、この五色台に鎮座している訳です。いやこれはとてつもなくすごい事だと思う。国宝と言っても差し支えないと思うものが、こんな野晒しになっていて、ペタペタ触り放題。何万何十万というお遍路たちをここでずっと見守ってきたのだろうか。
お遍路は1200年も続いていて、にも関わらず、決して教科書で学校で習うことはありませんでした。まあ関東だったからかもしれませんが。
日本の歴史がまあ2000年だとして、そのうちの半分以上の期間で継続されている文化ってそうそう無い。本当に凄い文化だなと思う。そしてその文化を、やろうと思えばとことん満喫できる境遇にある、ということはやはり幸せなことである、と思う。
皆さん、四国にはお遍路があります。想像を絶する感動が、ここにはあります。わろち。
余談はさておき、さらに進むと次はこんなものがあった。
ここ、凄いです。山の中で突如として、現れる接待所。想いが詰まっているんだ。
ジュースとお菓子をいただきました。で休んでいたら、地元の中学生の団体に遭遇する。課外授業で歩いているらしい。ちょうど白衣を着ていたので、学校の先生が生徒たちに、お遍路さんが休憩できるようにジュースを置いてますとか説明していて、ちょっと恥ずかしかった。中学生たちに「頑張ってください!」と応援されて、恥ずかしい笑なのでみんなにも頑張ってねと声をかける。みんな良い子そうだ。
更に先に進むと遍路小屋がある。
こちら、「五色台子どもおもてなし処」で、地元の小学生が管理してくれているようだ。
中はこんな感じ。
ロフト部分もある。
野宿セットを持っていれば、ここは是非泊まりたかったな。
民泊も良いけど、やっぱ野宿でこういう小屋に泊まった方がよりお遍路を味わえるとは思う。怖い時もあるけど。
14時到着。ここも立派な山門がある。
みんな車で回ってる人たちばかりだけど、1人歩きっぽい方がいた。
参拝終えて出発するときに駐車場のトイレに寄って、出たところでその人がいたのでちょっと話をした。
驚くことに、この人、10月4日に1番霊山寺をスタートしたらしい。自分は10月2日スタート。2日違いだ。それからずっと休みなく歩いているらしい。ペース的には60日。
10月の初めは、場所は違えど、同じ徳島県を歩いていたのだ。そして、私は疲労骨折で一旦帰宅している間も歩き続けていた。
で、今、追いついたらしい笑。 てか今追い越そうとしている笑。
もう少し色々話したかったけど、時間も少し押している。この方も81番から登ってきたらしく、今日は近くの宿に泊まるそう。80番は明日だと言っていた。
もう会うことはないだろう。残念だ。
お礼を言って先へ急ぐ。
下山する時、かなり長い距離の階段があって、こっちから登っていたらきつかっただろうなと思う。石段もきつかったけど。
そしてなんとか
16:05到着。ゆっくり参拝する。
納経所のおばちゃんと世間話をする。お兄ちゃんかっこええなと褒めてくれた笑。
ベンチに座ってお菓子を食べてエネチャージする。
まだここから約9キロ歩かないとならない。でも日没後に歩くのは今日が最後になるだろ
う。
あ、そうだ境内にあったやつ。
なんか、力強さを感じる。
本日の宿は、国分寺に着く前に予約しておいた。
夕焼けがとても綺麗だ。
途中はなまるうどんに寄って夕飯とする。
大盛りだったかな?それにトッピング。量が凄い。
19時半、天然温泉きらら到着。
宿というよりかは1Kの部屋みたい。建物も離れていて、アパートみたいだ。
元々は普通のアパートとかで、買い取ったのかしら。
温泉に入って足をマッサージしていて気づく。右足の踵を押すと痺れたような痛みがある。・・・やばいかも・・・歩き過ぎか?
結願直前で断念は嫌だ。
明日が心配になってくる。
残り2日。
明日へ続け。
34日目(70番〜77番)11月27日
◯歩数 53958歩
◯距離 約37km
◯出費
・食費 477円
・ビジホ 3420円
・雑費(洗濯) 300円
朝7時半出発。
1時間程歩いて本山寺へ到着。
香川県最初のお寺。ついに70番台突入。ここからは割と街中を歩くことが多くなる。
それから寺と寺との距離も近い。
と言いつつも10キロちょい歩いて次のお寺へ。
「昇運の階段」・・・良い響きだ。
こちらのお寺は本堂まで結構な石段がある。これはかなりのタイムロスというか、時間がかかってしまう。
遍路地図には寺と寺との距離は書かれているけど、山門から本堂までの距離や石段の多さなどの情報はない。だからその日のタイムスケジュールが微妙に遅れてしまうのだな。その遅れのしわ寄せが全部夕方へふりかかるのだ。
昇運の階段を駆け上がる。
揺るがない確信が僕を前へ押し進める。わら。
階段途中で数人のグループを追い越したけれど、そこのおじいちゃんに、お兄ちゃん早いなあと言われる。たしかにこの石段はなかなかにきついが、今はそれどころではない。
ここまで、全部、歩いてきたのである。
登ったかいあって、本堂からは景色が綺麗だった。
次のお寺へ。
12時半頃到着。先に73番を打つ。
13時着。
さあ次!
13:40頃着。
つぎつぎ!
こちら、むっちゃ広い。広過ぎて、どこが本堂で大師堂なのか分からん!
納経所は反対側にあるらしい。
にしても、まじで広い。
大師堂も、「御影堂」という名前で、初めてだと全然分からない。
お遍路ではない感じの観光客的な方が沢山いて、ちょっと浮いてる感じがする。ここらではかなり有名なお寺なのだろう。たぶん長野の善光寺とも少し関係があるらしい。
お寺の数が多いので、その分時間が過ぎるのが早い。
お昼を食べる時間が勿体ないというか、時間が無いので、歩きながらパンを食べることにした。
15:20着。
次のお寺まで4キロあるので急いで出発。
ここから本日初のウォーキングハイモード突入。
なんとか16:25到着。
本堂と大師堂でゆっくり参拝してお経を読む。
そうそう、参拝の仕方を紹介しておこう。
まずは山門で合掌して一礼する。本堂へ行き、蝋燭をたて火をつける。それで線香に
火をつける。線香は3本。お口と心と身体を清める意味があるらしい。蝋燭立て?というのかな、あの灰が入った鉢。そこに線香を立てる。次に納め札を専用の箱に納めて、賽銭を入れる。そしてお経を読む。経本の内容は3回読む箇所があったり1回で良いというところもあるので、それはちゃんと最初の霊山寺で確認しましょう。(岩本寺の宿坊に泊まった時のお勤めでは、教えてもらった回数とは若干異なるところがあって、厳密に何回って決まっている訳では無いみたい。)最後は廻向文というのを読んで、自分のお願いごとを添え、合掌。
「願わくばこの功徳を以て遍く一切に及ぼし我らと衆生と皆共に仏道をじょうぜん。 〇〇家〇〇家 家内安全 心願成就 自分のお願い事」
こんな感じだ。〇〇家〇〇家というのは、一つは自分の苗字。もう一つは母方の苗字。お父さんお母さんのご先祖様がいて初めて自分が生まれてきた訳だから、両家に対してお願いをするらしい。
以上これら一連の所作を大師堂でも同様に行う。
意外と結構これが最初は時間がかかった。でもだんだんスラスラ読めるようになってきて、5分くらいで一つの所作ができるようになる。納経の時間も含めると、境内がそんなに広いお寺でなければ、滞在時間は20分くらいになる。休憩したり、石段がめっちゃ長いとかだともっと長くなる。僕は一つのお寺に1時間滞在するとかザラだった。
最後お寺を後にする時は、山門でまた合掌して一礼する。
ただ、次の遍路道に進む時、山門を出る形にならないこともよくあって、実はこれちょっと不満だったりする笑 まあ形式に拘りたいという訳でも無いけど・・・
話は戻って今日も目標のお寺まで打つことができた。あと3日だ。
17時ギリギリまで境内のベンチで休憩する。本日の宿を丸亀駅前で予約して出発。
18時前くらいにアパホテル到着。
夜はうどんを食べに行った。
ホテルから1キロくらい歩かないといけなかったのでちょっと大変だった、けどとてもおいしかった。やっぱ香川県のうどん美味しい!
明日へ続く。
33日目(66番〜69番)11月26日
◯歩数 57362歩
◯距離 約40km
◯宿 ホテルサニーイン
◯出費
・食費 1620円
・雑費(ロウソク)110円
・ビジホ 6800円
朝6時頃出発。朝ごはんは昨日買ったスシロー。
道中コンビニ寄ったり、遍路小屋で休憩を挟みつつ、
一度、徳島県に入る。この辺りは愛媛県と香川県と徳島県の3つの県境なのだ。
さようなら愛媛県。高知と比べるとあっという間に駆け抜けた感じだ。
徳島県と香川県の県境の尾根を歩くコースもあるのだが、距離が長くなってしまうため、最短コースで挑む。
登山口の手前で雨がパラついてきてしまったので、ザックカバーのみセットする。
いざ、アタック開始。90分くらいらしい。
1キロくらいの距離で300mくらい標高が上がるので、なかなかきつい。
登っていく途中で1人のお遍路さんに会った。名前はMさん。以前に結願はしているのだが、この雲辺寺の遍路道だけ足のトラブルで歩いていなかったそうで、今回はこの区間だけのためにきたそうだ。ちょっと話をして先に進んだ。
なんとか雨も持ってくれて、11時に到着。
雲辺寺は標高880mにあって、お遍路で一番高い山のお寺だ。だから結構寒い。
ここは通夜堂があるので泊まりたかったなとも思う。
登っている時は暑いけど、それ以外は上着を着ないと寒い。
誰もいない本堂をゆっくり眺めていたら、突然大量の人が来た。
あっという間に騒がしくなってしまった。ここはケーブルカーがあるのでそのタイミングと被ると突然人で溢れかえる。
ロウソクも線香も納め札も所作が大変混み合う。急いで大師堂へ。
お経読み終わって、さっきのMさんと再会する。
納経所の近くのベンチで一緒にお昼休憩。色々話をしていたら、Mさんの出身大学が、私の自宅の最寄りの大学だったから驚き。
お遍路で不思議なのは、いろんな人にすれ違って、その時のタイミングで話すかどうか、挨拶だけで終わるか様々なんだけど、長く話した人ほど、何かしらの近い馴染みのある場所にお互いがいた過去があったりする傾向が多い気がする。だからこそ、縁というものを考えさせられる。見えない力で引き寄せ合うのかしら笑
雲辺寺には沢山の石像がある。迫力がある。
Mさんと一緒に下山、してきたけどここでお別れ。Mさんはケーブルカーの山麓駅に抜ける遍路道へ。私は大興寺へ。
長いくだりの遍路道と県道を歩いていく。
雲辺寺出発して2時間くらい、14:15到着。
山門に自転車が停まっている。どこかで見たような自転車とバックだ。
(この時はまだはっきりとその事実関係が分かっていなかった。)
納経所にいた人に、どっかでお会いしませんでしたか?と聞いてみたら全然人違いだった。
時間も無いので次の寺に急ぐ。
ここからウォーキングハイモード突入!!
8キロ程の距離があるが、なんとか間に合わせなくてはならない。
しかし、なかなかの疲労感だ。
16:15到着。ここは二つのお寺がセットになっているという、ボーナステンプル笑
そう、ここは香川県!マジで最終章突入だ。
それぞれの本堂と大師堂で所作を終えて納経所を向かう時、1人の人と目があった。
咄嗟に「どこかでお会いしましたっけ?」
「やっぱそうだよね??」と。
お互い気づいていたみたい。さっきの大興寺で僕のことを見かけていたらしい。
色々話しをした。名前はSさん。以前歩きで一周していて、2週目は自転車だそうだ。区切りで来ていて、今回は松山からこの観音寺までらしく今日帰ると言う。
2日前に会っていて、今日また再会する。
「めっちゃ早くない?電車乗ってるの?」と聞かれちゃった。確かに自分でも思う。Sさん自転車なのになんでここで再会するんだろうと。間違いなく、昨日三角寺打てたからだ。
お遍路の面白いところだ。昨夜は自分が泊まったスーパーホテルの向かい側にあるサンルートにSさんは泊まっていたらしい。
で、夕食を誘って下さり、観音寺駅前の吉野家へ。牛丼奢ってくださいました笑
自分の仕事の話したら、Sさんも知っていて、職場も近くなのでまた会いましょうということでお別れした。(まだ会えてはいない)
観音寺駅。結構な街で、人もかなりいる。タクシーがそれを物語る。
本日の宿、ホテルサニーイン。19時。
なぜか今日はじゃらんの旅行支援の割引プランが出てこなくて通常料金。直接電話して聞けばよかったなと。疲れ過ぎているので考えている余力がない。
部屋で遍路地図を広げて明日からの計画を練る。
そして気づく。
この旅のゴールが見えた。
あと4日で終わる。
・・・・
部屋で1人で泣いちゃいました笑
完全にゴールが見えた。結願できる。
いや、まじで、やばい。信じられない。
いつからか、辞めて帰りたいという思いが消えて、早く結願したいと思うように変わり、全力で歩いていくようになった。
そして遥か彼方にあった結願が、今、確信へと変わっていく。
熱いものが込み上げてくる。
ラスト4日。全力で進め!
32日目(65番)11月25日
◯歩数 63384歩
◯距離 約46km
◯宿 スーパーホテル四国中央(旅行支援割利用)
◯出費
・食費 955円
・ビジホ 3468円
朝は4時半過ぎくらいに起床。
昨日買ったお弁当を食べる。
5:30出発。今日は三角寺まで打ちたいので、40キロは超える。
歩き始めて1時間くらい経って明るくなる。
そしてなんだか今日は調子が悪い。同じ荷物なのにやけに重く感じる・・・きつい。
足元見ながら歩いていると声を掛けられた。ちょうど何かの会社の前で出勤前の人だった。「がんばって」と言われ少し元気になる。
横屋の遍路小屋に着いたので休憩。8時くらい。なんだかんだ10キロ以上は歩いた。
2時間半で10キロ弱。調子悪いとはいえ、良いペースだ。
遍路小屋ノートに、NKさんのメッセージを見つけて1人でテンションが上がる。
20分くらい休んで出発。
しばらく歩いてトイレに行きたくなってきた。
が、お店も何もなく、民家と道路しかない。おまけに交通量も多い・・・
と思いつつグーグルマップを見ていたら、お遍路さんの宿という善根宿を見つけ、急ぐ。
それがこちら!
とりあえずトイレを借していただきました。今日は朝からトイレが近くて・・・水の飲み過ぎかしら。
こちら、優しいおじいちゃんが営んでる善根宿で去年の春に始められたそう。2021年の春かな。お遍路序盤から、いろんな遍路小屋に同じ善根宿の張り紙をよく見かけていたのだが、それがここだった!!歩き遍路地図にまだ載っていないのだ、残念。
お茶とお菓子のお接待を受けしばらく休憩。三角寺まで行きたいと話したら、この時間からなら若いし大丈夫と言われ少し安心する。
是非ここは泊まりたいどころだが、お礼を伝え、出発。10時頃。
三角寺までは国道11号線沿いをひたすら40キロ近く真っ直ぐ歩く。
遍路道はそれに沿っていくつかのルートがある。静かに歩きたい時は遍路道。お店を探す時は国道に出てみたりと、気分に合わせられる。
11:30、スーパーのイートインで軽くお昼ご飯。お店に入ると長居してしまうのでスーパー。
13時過ぎ。
午後から太陽の日差しが強くなり急に暑くなってくる。休みたいが、どこも休めるようなところがなく、たまたまあった集会所の軒下のベンチで休憩、させて頂くことにする。自販機も側にあり、お遍路さん向けだ笑
また歩き出す。
歩いて、誰かに出会って、何かを見つけて、休んで、また歩き出す。
お遍路真っ只中だ。
いつからか、道路の看板を撮影したりする余裕が持てるようになった。
15:20 三角寺手前1キロほどの「ひびき休憩所」
今日の宿スーパーホテルが見える。小腹が空いたのでパンを食べる。
本日のゴールはもうすぐそこだ。
具体的にあと何日で終わるのかはまだ分からないのだが、残り僅かで、クライマックスなのは確かだ。あ、あと三角寺は愛媛県最後のお寺!
こんな石段を見ても何も感じなくなった。登っていける。
ついに、ここまで、きた。
夕焼けが綺麗。若干山道をくだった。
最近、16時以降にお寺着いて、ゆっくり参拝して休憩してから宿に向かう時、音楽を聴きながら歩いたりしている。そんな時、夕焼けが綺麗だととても良い。
ちょっと目頭が熱くなった。
17時半、スーパーホテル到着。
旅行支援のクーポンは都道府県毎違い、明日は香川に入ってしまうので今日中に使わないとならない。そのためスシローにやってきた。明日の朝用でテイクアウトもしてピッタリ3000円。
新品だったトレッキングポールの石突のラバーカバー。もう削れ過ぎて、完全に石突が露出してしまった。歩いていると、カツカツうるさい笑
ほぼ新品だった登山靴もここまで削れてしまった。
内側のゴアの生地も小指部分は破れてしまった。
明日は香川県に入る。
31日目(60番〜64番)11月24日
◯歩数 50491歩
◯距離 約35km
◯宿 ホテル玉の家西条(旅行支援割利用)
◯出費
・食費 456円
・ビジホ(素泊まり)3360円
朝7:40出発。今日もかなり遅れ気味。
横峰寺へは、本来下山する時のルートから登ることにした。
途中のコンビニで食料調達。
久しぶりに山の上にあるお寺なのでちょっとビビっている。
採石場のある林道を経由して登山道に入る。
写真は分岐点。ここで外国人のお遍路さんに追い越された。
めちゃくちゃきつい訳ではないが、それなりのトレッキングコースだ。
お寺に着くちょっと手前で野宿であろう80Lくらいのザック背負って荷物むっちゃ多い方とすれ違う。が、この人とは挨拶だけで終わってしまった。話しかけようかとも思ったけど先を急いでいたし、なんかタイミングを掴めなかった。
11:40横峰寺着。山門が無かったので本堂の写真。なんでないのかなと思っていたが、納経所の近くで話した人があっちにあるよと教えてくれた。そうだった、自分は逆から登ってきたのだから無くて当たり前だ。
納経所の横のベンチでおにぎりを食べて休憩。12時頃出発。
ちょっと遅れ気味なので、一気に山を降りる。
14時半、香園寺到着。なんだここは・・・寺?なのか・・・すごい大きい講堂みたいな建物があり、中に本堂と太子堂がある。さらに200〜300は軽くありそうな椅子。それこそ本当の講堂見たいな雰囲気。全然寺っぽくない。靴を脱がないとなのでちょっと大変。
次へ急ぐ。
15時頃着。この辺りも寺が密集しているボーナスゾーン。
宝寿寺を出てから、途中でチャリ遍路の人に追い越されたが、挨拶してくれた。
15時半頃着。さっきの人の自転車がある。
この写真、ブログ編集のため見ていて気がついたけど、自転車が写っていたのは全くの偶然というか、意図して撮った訳ではない。山門を撮って、そこに一緒に入っていた。
どうしてこんなことを言うかと言うと、この自転車の方にはまた再会することになるからなのだ(伏線) これがお遍路の面白いところ笑
16:30前神寺着。
納経を済ませ休憩していたら老夫婦の旦那さんに声を掛けられ少し話をする。
車で回っていて逆打ちだそうだ。徳島から歩いて回っていると話したら、「すごい根性してるね」と言われる笑
最後駐車場で奥さんがみかんをくれた。久しぶりにお接待を受けた。
今日も予定の寺を全部回ることができた。
伊予西条のビジホを予約して、クーポンの使えるお店を探す。
宿から1キロくらい離れたところの定食屋で夕飯。
テイクアウトもできたので、明日の朝ごはん用のお弁当もクーポンでゲットした。
19時宿到着。
今日はなんだか平凡な歩き遍路の1日という印象だ。
明日に続け!