お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

3日目(11,12番)10月4日

◯歩数 32040歩

◯距離 約16km

◯宿 「お宿すだち庵」

◯出費

・宿代(温泉代込み)  7400円

・お賽銭 20円

・納経代 500円 (なぜかここだけ300円ではなかった)

・食費 460円

 

今日は遂に宿に宿泊してしまった・・・。しかし、感謝の気持ちでいっぱいである。

今日は本当にきつかった。まじでしんどかった。何回お遍路を辞めようと考えたことか。

何かの縁でこの宿と人に導かれたかのようである・・・。

 

 

朝7時過ぎ、11番藤井寺を打つ。睡眠不足感は否めないが順調なスタート。

11番藤井寺

そして08:00、12番焼山寺へ向けて出発する。お遍路道(登山道)はこの藤井寺の境内の中から続いているのだ。予定では、お昼には焼山寺に着く予定でいた。と言うのも距離はそんなに大したことないし、せいぜい東京の高尾山をちょっときつくしたくらいだろと思っていた。そもそもここが難所ということも知らなかった。以下の写真の通り、初めて知る。

「え、ちょ、、難所とか、、、きいてない、、」

お遍路最大の難所らしい

そして結果的に地獄をみた。地獄は大袈裟かもしれない。とにかく本当にきつかった。

後から知ったが健脚の早い人で5時間。普通平均が6時間のコースらしい。

結果的に私は7時間半かかった。別に大して険しい訳ではない。ただ山を2、3超える長めのハイキングコースである。問題はザックだった。重すぎる。水も2L持ってきてたので、おそらく13〜14kgはあったと思う。完全に甘くみていた。このスピードでお昼までに着ける訳がない。少し登っては立ち止まり休みまたちょっと進むの繰り返し。汗が噴き出していた。ふと、かつての富士登山のことを思い出した。24歳の頃、友人達と弾丸で富士山に登った。あの時は不十分な装備でかつその時もクソ重い荷物だった。まじで辛かった。5合目から山頂まで5時間かかった・・・。

富士登山と言いお遍路と言い、こんなに辛いのは荷物が重過ぎるのことが最たる原因であろう。荷物さえなければ、楽勝とまではいかないが、そこまできつくはないだろう。

10キロ超のザックを背負える体力がついていない・・・。そして焼山寺富士登山よりきつかった思い出になってしまった。

 

とまあひいひい言いながらなんとか無事に15:30に焼山寺につきました。

藤井寺から焼山寺へは先述した通りお遍路で1番キツイとされている難所です。

距離は12.9km、ずっと山道です。お遍路転がしと呼ばれており、昔は歩き遍路の半分の人が諦めて引き返したとも言われいるそうです。このコースの途中には3つの庵があって、そこが休憩ポイントになっています。

 

この休憩ポイントでお遍路3日目にして初めて歩き遍路の方と出会った。合計3人!

色々お話しして情報も教えてくれた。写真も一緒に撮ったが、了解を得ていないので画像を上げるのは控えよう。あの感動をあげたいところだけれども。

他の写真をあげていこう。

でっかいナメクジ

弘法大師像 山の中にあるのでかなり雰囲気がある。

最後のへんろころがし

12番焼山寺

自販機がある

焼山寺には自販機があった。もうカイジ状態である。冷たいお茶を一気飲みした。

「ありがてえ・・キンキンに冷えてやがる・・・・」

参拝を済ませ納経をしてもらい(なぜか500円だったのは疑問だが)、さてここからが急展開である。でもこれで終わらないのが「旅」なのかもしれない。

当初の予定では、ここから10km行くと道の駅と温泉があり、そこまで行くつもりだった。

がしかし既に16:30過ぎ。休み過ぎた。日没は18:00。このままだと1時間は暗い夜の山を降る県道を歩くことになる。(ただしこの時は人里離れた道路を夜歩くことの怖さを知らなかったので大して問題ではないと考えていた)ともかく進むしない。

と、ここで、今日の登山道で知り合ったNさんと一緒になり2人で歩くことになる。

Nさんは宿に泊まるというが、その宿までは3kmくらい。色々話しながら歩くこと2km弱。ちょうど歩き遍路道(登山道)から県道に出たところで1台の軽が登ってきて我々の前で止まる。

「Nさんですかー?今電話かけたんですけど繋がらなくて・・・他のお客さん温泉行ってるので行きませんか?」

どうやら宿の方が迎えにきてくれたようである。

そうして私はここに一人残されるのかと思いきや、道の駅まで行くつもりの旨を伝えると一緒に乗せて行ってあげると言うではないか。

助け船・・・いや助け車現る!ありがたい!てか泊まらないのに申し訳なさすぎる。

便乗して、3日ぶりに乗り物に乗る。なんて素晴らしい乗り物なのか!そしてこんな考えが頭に浮かんできた。

これも何かの縁。体力的にもかなり限界が近い気がするし折角車に乗せてもらったことだ、宿に泊まる選択もありではないのか?

宿主に部屋が空いてるか聞いてみたところ空いていると。泊まることにした。

道の駅までの道中、夜はごっついイノシシ出ますよと言われ震えた。

という訳で温泉に入り宿でご飯を食べて3日振りに布団で寝ることができた。

 

ところで、宿のお客さんが私を含め4人であった。夕飯の際、宿主の方と皆とで色々話をしてかなり情報を得ることになる。大別して以下にまとめておこう。

1、夜はイノシシや鹿が出るから歩かない方がいい。(考えてみれば当たり前である)

2、野宿は、歩き遍路全体を通して、ここは泊まらない方が良いという場所がいくつかある。(所謂、曰く付きらしい)

3、宿泊まりの方は夕飯の際に明日の行動計画を話し合い、宿もその時点でとる。

4、お遍路は、口コミの情報がとても貴重。

5、お遍路は、1日の大体のモデルコースが存在している。(大体皆さんここからここまで歩きますよという感じの)(地図にもネットにも書かれてはいない)

6、野宿遍路の場合、宿での情報交換が無くなるので、情報弱者になりがち。

他にも細かいことはあるが大体こんな感じ。まとめると、お遍路は情報戦やん。

よく3日でここまであのクソ重いザック背負って来れたもんだなと。自分を褒めたい。

 

という感じで3日目は終わる。なかなか濃い毎日である。

今は自宅で書いているのでブログが長くなりがちであるが、再開したらテントの中で書くことになるから、もう少し簡潔にまとめていけたらなと思う。