お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

20日目(38番)11月13日

◯歩数 34683歩

◯距離 約24km

◯宿 農家民宿あさり(朝夕食)(現在は閉業中)

◯天候 暴風雨のち晴れ

◯出費

農家民宿あさり 3000円

・洗濯100円

 

朝6時過ぎ起床。起きたら天井に大きな蜘蛛がいた。なるほどそれで「くもも」というわけなのかと独り合点する。(実際はそんな理由ではないだろう)

朝食はこちら。朝からしっかり食べるとやはり調子が良い。

あとお接待のおにぎり。

外の様子はこんな感じでどしゃ降り。うーん、出発が躊躇われる、が、お昼前には晴れる予報だ。

8時過ぎに出発。雨の中歩くのはやはりしんどい。

以布利のジンベイ広場で休憩。ここも野宿には最適だけど、コロナのため野宿はご遠慮下さいと貼紙があった。相変わらず凄い雨。

まだ10時前なのにおにぎりを食べる。足摺岬まであと13キロくらい。

 

雨なので山道の遍路道は通らずにずっと県道を歩いていく。が、近道と書かれた遍路道があったので行ってみた。そしたら、倒木はあるし、イノシシにも遭遇するしでかなり危険な雰囲気・・・なんとか通過して、また県道に合流した。

海岸沿いに出ると風がすごい。もう台風なんじゃないかという勢いだ。とはいえ進むしかない。どんどん進む。

足摺岬の4キロくらい手前に遍路小屋がある。雨もしんどいし早く着きたいので通過しようと思っていたのだが、テントが張ってあるのが見えたので挨拶しながら中に入ってみた。

自分より若そうな方ともう1人テントの中で休んでいるようだ。年を聞いてみたら26歳だという。彼はMTさんで、同じく野宿で回っているらしく、昨晩はここに泊まり、雨が止むのを待っているといったところだ。ふとテントの横に置いてあるザックに気を取られる。どこで見たようなザックである。まさかとは思いながら、人違いかもしれないのですが〇〇さんですか?・・・と声をかけてみた。そうしたら、本当に〇〇さんだった!

実はこの〇〇さん、10月の初め、焼山寺に登った時の道中の柳水庵で出会った方なのだ!!驚き過ぎてもう頭はパニック笑 何でも道中の宿でバイトしたりして停滞してた時間が結構あるという。そして〇〇さんもここで私が現れたのを驚いていて経緯を話した。1ヶ月以上前に自分を追い越していった人間が、今なぜか自分に追いつくという現象は不可解である。そして一方で僕は2週間以上自宅静養していたけど、〇〇さんに追いついたのである!こういう再会があるのもお遍路の魅力に一つなんだろう。

26歳MTさんと〇〇さんと連絡先を交換した。40分くらい3人で話して盛り上がっていた。

そして気づけば雨も上がり太陽が出てきたので出発。MTさんもいくという。

〇〇さんは今日はこのままそこで休むみたい。1時間程26歳MTさんと話しながら歩く。

そして・・・

 

14時頃、四国最南端、足摺岬到達。ついにやってきました!

ここまで来れるとは・・・

いつもは自撮りだけど、この時はMTさんに撮って貰った。

38番 金剛福寺

 

参拝を済ませ、売店へ行く。MTさんは今日も野宿なので食料がなくて困っているみたい。売店のおじさんがおにぎりなら作れると言うことで〇〇さんの分も併せて作って貰っていた。案外聞いてみるとできたりするんだなと思った。そのあと営業中のレストランでMTさんはお昼を食べたみたい。私は足摺岬を観光していた。別れ際お礼を言って、魚肉ソーセージを持っていたので〇〇さんの分も併せて差し上げた。いつもお接待を受けてばかりなので、たまには私もする側になろうという心持ち。

 

灯台と海が見渡せる展望台がありそこから写真を撮った。が、全部削除した。

というのも、実はこの日、投身自殺があって、私が展望台に行った時、ちょうど岬の沖合で海上保安庁が遺体を回収しているところだった。展望台には双眼鏡を持った警察消防海保の人がたくさんいた。足摺岬に着いた時、消防車が停まっていて、なんかあったのかと疑問ではあったが、そういうことだった。

観光案内所のおばちゃんが話してくれた。朝9時ごろに灯台のところから落ちたらしく、それを観光客が目撃して通報したらしい。

 

朝9時と言えば、めちゃくちゃ雨風が強かった時だ。その中、あの断崖絶壁に行くなんて、ふつうじゃない。展望台でしばらく救助活動を見学していた。無線で船とやりとりをしているのが聞こえた。要救確保27歳男性・・・

 

宿が足摺岬を通り越して西側へ3キロ程行ったところにある。岬を後にして歩いている間、その人のことを考えていた。どうして、なぜ。一体何が彼をそこまで追い込んだのだろう。そしてこの最果ての地に向かっている最中彼は何を思っていたのだろうか。何もわからない。考えることも嫌になって、展望台に行ったのを後悔した。写真も沢山撮っていたが全部消した。

 

人それぞれ多かれ少なかれ悩みは抱えているものだが、健康であること、これは、間違いなく、とてつもなく、しあわせなことだ。恵まれている。

 

 

16時半頃宿に到着。

実は今回特別に泊めさせてもらえることになった。というのも今はコロナの影響で宿をやっていないらしく、部屋も物置になっており、料理も簡単なもので構わなければ・・・というご主人のご好意で。

結論から言って最高の宿だった。ご夫婦がめっちゃ優しくて、ご飯もすごいおいしかった。あまり詳しくは書けないけど

 

寝た部屋にあった尾長の魚拓。奥さんの弟さんがグレ釣りが好きだと言う。

 

 

 

 

数日前までは帰りたいとか辞めた方がいいんじゃないかとか思っていたけど、遂に半分来て、そういった考えが薄れてきている気がする。ここまで来ると、もうアクセスが悪過ぎて帰るのすら大変なのである。明日からは打戻って三原村を目指していく。

 

 

明日へ続け!