お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

17日目(37番)11月10日

◯歩数 41834歩

◯距離 約33km

◯宿泊 37番岩本寺宿坊(素泊まり)4600円

◯出費

・食費 1400円

・洗濯 300円

 

 

今日は岩本寺に素泊まり。宿坊は一度は泊まってみようと思っていたのだ。

 

朝5時過ぎくらいだったかな?・・・出発!

しばらく進むと歩道が無い約1キロの焼坂トンネルがある。

歩き遍路地図には遍路道の峠は険しいと書かれているのでトンネルを選択。

反射タスキが設置されている。(高知はトンネルが多く、このタスキは結構いろんなところにあった。最初に見つけたのがここだった。)

できるだけ車の交通量が少ない時間帯に通過したかったけど、すっかり明るくなってしまった。暗くても日出後も然程変わらんか・・・

 

無事通過!

 

10キロ程進むと、今度は七子峠だ。

登り切ると国道も県道もあるし、峠道の手前も舗装されている。なので山道はこの登りの1キロだけ。しかし、標高差が200mくらいあるのでちょっときつかった。

 

峠を越えて、国道に出る。

随分古いガソリンスタンドだ。この写真の右端に無人販売所がある。

生姜こんだけ入って300円。安過ぎ。生姜好きにはたまらない。車だったら絶対買うのになあ・・・

 

国道沿いの遍路道を歩いていく。場所がいまいち定かではないが、民家の前で「お遍路さーん!』と呼び止められる。

イケイケのおじ様にジュースやお菓子のお接待を頂いた。1時間くらい休憩していたかな。

なんでも昔はこの家で暮らしていたのだが、今は高知市内に引っ越していて、定期的に掃除しに来ているそうだ。そしてちょうど遍路道沿いなので、こうしてお遍路さんと交流しているらしい。

それからなんと、このお家をゆくゆくは善根宿にしたいと考えているそうだ!!ありがたい。

お礼を告げて出発。

途中のお土産屋さんにあるレストランでランチ。

足が疲れている時にお店に入ると、かなりゆっくり過ごしてしまって、逆に再出発するのが億劫になったりする。

お店で食べて時間を諦めるか、おにぎりだけで済まして先を急ぐか。常にこのせめぎあいだ。

やがて国道の看板に「足摺岬」の文字が現れる。95km。

 

 

あと3日で行ける。

 

 

 

そう思えるようなった、その神経が、おかしい。

 

 

37番 岩本寺

15時過ぎ、岩本寺着。この寺は他とはちょっと雰囲気が違う。写真を見ての通り境内でも英語の看板がたくさんあった。国際色豊かである。

 

岩本寺には宿坊があるが、通夜堂もある。納経所のおばあちゃんに通夜堂について聞いてみたところ、対応がそっけない。怒っているのかしら、あるいは、通夜堂に泊まって欲しく無いのか・・・何を言っても返答が遅く、あまり会話が成立していない感じ・・・納経してもらった時も塩対応だったけど、いざ話してみたらやっぱこういう感じの人だった。悪気は無いのかもしれないが、めっちゃ苦手なタイプ。

早いところ決めてしまいたいが、疲労もあり宿坊に泊まりたい欲が出てくる。煩悩払拭どころでは無い。

僕はお風呂に入りたい・・・

結果、部屋も空いているということで宿坊に泊まらせてもらうことにした。ご飯の用意は厳しいので素泊まりで。

 

話は若干逸れるが、宿の取り方について話をしたい。

結論から言って、ビジネスホテル以外の民宿なり旅館なり宿坊というのは、当日いきなり宿泊を申し込むのは、大概の場合、煙たがられる、傾向にあるように思われる。まあでも考えてみれば当然で、どうしても個人や小規模で営んでいるから故に、受け入れる準備が大変なのだろう。食事についてはまさにそうだ。だから遅くとも当日の午前中には予約をした方が良いし、できれば前日までに済ませることが、宿側も泊まる側も両者気持ちよくいられる。

けれども、歩き遍路でガチガチに宿を決めて歩くと、もうそれは無茶が効かなくなる。かつ、仮に調子が悪くなった時にそこまで行かなくちゃというプレッシャーがかかる。まあキャンセルすれば良いのだが・・・

歩き遍路の進み方は人それぞれだけど、やっぱり僕はちょっとくらい無茶したい。(無茶し過ぎて骨折れたけど)そうすると、自動的に宿を決めるのは午後なり夕方なりになって、ビジホがあれば良いけど、民宿しかない地域だと、お金払うとは言え急遽対応させることになるからそのコストをかけてしまって申し訳ないなというのが感想。

まとめると、お遍路の宿って、案外みんなドタキャンも飛び込みもザラなのでしょうか。

 

とても広い部屋だったし、綺麗だった。

宿坊に泊まると、朝、お勤めと言って、本堂でお経をみんなで読む時間がある。

このお勤めに参加したいから宿坊に泊まりたかったのだ。

プロのお経を聞いて、息継ぎとか、抑揚とかを勉強しようという目論見。

が、明朝、思わぬ結果になるのであった・・・

 

そういえば、この宿坊で、室戸岬前後で会っていたHさんに再会した。私の方が先に寺に着いていたようで、いつのまにか追い越していたらしい。4日の宿以来だから、6日振りだ!

歩き遍路はルートがいくつかあるし、宿もたくさんある。だからタイミングが合わなければ全く会わない人もいれば、こうして偶然再会できたりする人もいる。

だんだん歩き遍路の楽しさが分かってきた気がする。

 

 

 

明日に続く。