お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

16日目(36番)11月9日

◯歩数 50478歩

◯距離 約36km

◯出費 

・食費 5132円(内2000円はアミノバイタル

 

今日は結構頑張った!

朝7時出発。ちょっと遅れがち・・・

 

遍路道の山道で1人のじーさんに出会った。いつも散歩でここを歩いているらしい。休憩をしてたが、もうそろそろ降りようかと思っていた矢先、突然私が現れたという。

結構話しをした。30分くらい話したかもしれない。簡潔にまとめると、そのじーさんは70いくつからしいが、自分の人生は本当に運が良かったからやってこれて、境遇に感謝しかしていないと言う。たまたまだが、じーさんが長年勤めた仕事は私と同じ業種で、相手も驚いていた。

人生って運ってありますか?と聞いてみた。

そうしたら、それまで優しい微笑を浮かべていたじーさんの目の色が変わり、「あります」と静かにけれども力強い口調で即座に言い放った。

 

じーさんと別れたあと、運という言葉と「あります」と断言した彼の鋭い目を頭の中で反芻していた。

 

36番 青龍寺

10時頃、青龍寺着。

納経を済ませて荷物を片付けていたら境内に停まっていたトラックの運ちゃんに声をかけられた。どうやら今朝私が歩いているのを、運転していた時に見かけたらしい。そして全部歩いていると話したらめっちゃ応援してくれて、なんと1000円札をくれた。お金のお接待だ!!有り難く頂戴して、夕飯代に充てた。

ここからが大変な道のりなので、お礼を告げて出発。

 

横浪スカイラインをずっと歩いていく。須崎の街まで約20キロはお店無し。自販機とトイレはある。これをなんとか日没までに通過しなくてはならない。気合を入れて歩いていく。

高知の海は綺麗だ。

何度も休憩を挟みながら歩き続けて・・・

なんとか17時の日没直前に須崎の街に着く。

スーパーに寄って食料調達。イートインでパルテノを食べる。このヨーグルトが1番美味しいのだ。

スーパーを出たらもう外は真っ暗。道の駅まではまだ4キロくらいある。

ここからが辛かった。

なんか辛すぎて泣きそうになる。どうしてこんな暗くなってからも歩かなきゃいけないんだとか、やっぱ歩き遍路はコスパ悪過ぎるから辞めたほうが良いんじゃないかとか考え始める。

でも一方で、こうして歩き遍路ができているその事実だけで、自分はつくづく幸せ者じゃないかとも思う。

今朝会ったじーさんのことを思い出す。運・・・

自分でももうよくわからん。とりあえず歩く。歩くしかない。

 

須崎にもあった豚太郎。どうやらチェーン店みたいだ。夕飯を食べて少し元気が出た。

お座敷の席だったので靴を脱いだ。足がめっちゃ臭い・・・隣に家族連れがいて、臭っていないか、申し訳なかった。

 

道の駅かわうその里。お店も閉店しているのでちょっと離れたところにセット!雨も降らないから屋根はなくても問題なし。

今日は初めてアプリを使って、歩いた距離と時間を記録してみた。休憩時間は一時停止しているので、純粋な歩行時間だ。今日は頑張った!自分を褒めたい。

 

テントの中でまた明日の行程について考える。毎日毎日新しい場所に移動していくので、常に地図と睨めっこだ。

どこで野宿するのかを考えるのが物凄い負担。行ってみないと状況が分からないから。徒歩だから修正するのも簡単ではない。

ご飯はどこで調達するのか。お店で食べる時間はあるのか。

自動販売機を見つけてはここで買うべきなのか、この先にあるのかどうか。

トイレはあるのか。道は間違えていないか。

今何時で大体このペースだから何時までにはここまで行けるだろうとか。

このままだと歩き続けないときついとか、あとこれくらいなら休憩していても平気だとか。

常に行動を逆算していかないといけない。でもそれを考える気力も夜には残っていない。

もう無理何も考えられへんわ、勘弁してくれと寝てしまう・・・笑

余裕が全く無い。足も痛い。夜は怖い。でも不思議と朝になるとまた歩ける。ここまでなんとかやってこれた。

お遍路ってこういうものなのかしら。今のところやっぱりまだ辛いだけだし、願わくば辞めてしまいたい。しかし、職場の人達にお遍路すると言ってしまったのだから、ここで辞めたら口だけになってしまう・・・うっ、あんな大見得切らなければ良かったと後悔する。

 

22時くらいにはシュラフに入って寝た。おやすみ。

 

明日に続く。