お遍路たちは結願をめざす

30歳で歩き遍路を37日間かけて達成した記録。野宿は19回でした。2022年11月30日結願。随時更新予定。

9日目 (〜24番) 11月2日

◯歩数 56752歩

◯距離 約37km

◯出費

・食費1948円

・雑費(温泉)800円

 

朝4:20くらいに起床。5:20くらい出発。出発の時、昨夜の逆打ち野宿のおじさんに挨拶をした。気をつけて頑張ってなと励まされた。いざ、出発!

最御崎寺まで76km・・・ほんとに行けるのだろうか・・・

まだ真っ暗だけどずっと国道沿いだしすぐに明るくなるので、獣系の心配はあまりしていない。星が綺麗だ。

左膝は心配なのでサポータをつけたまま歩くことにしよう。

歩き出して30分くらいで休憩所のベンチがあったので少し休む。こまめに休憩をとりながら行きたい。

 

10時ごろ牟岐の遍路小屋で早めのお昼休憩。スーパーがあったので助かる。

海が綺麗だ。

道中、別格霊場鯖大師に寄ってみる。

この辺りが20km地点だ。膝は大丈夫そうだが足の疲れはあるし、足の裏も結構痛くなってきた。しかし、トレッキングポールのお陰か、足が痛くても歩けるのだ。推進力を得られて、かつ足が地面に接地している時の負荷を軽減してくれているようだ。

あわかいなんの遍路小屋。ここが遍路小屋の第一号らしい。かなり居心地が良いが、ここは野宿禁止みたい。遍路小屋は野宿して良いところと禁止になっているところがあるから、遍路小屋だけを当てにして行くのはリスクしかない。

この辺からかなりキツくなってくる。

海陽町を過ぎるとNASA遍路小屋があるのだが、その手前にも休憩所があって、そこでまた休む。まだ2キロも進んでない。目標の東洋町まではまだ10km以上ある。

と、ここで本日初のお遍路さんに出会う。アメリカから来たという20歳の男の子。名前はT Nくんということにしよう。なんとTNくんは自販機でジュースを買ってそれを私にくれた。なんてイケメンなんだ。僕は自分が歩くことで精一杯だ。

TNくんは金剛杖ではなくて、ちょっと曲がりくねっている、木の杖を持っていた。写真がないので伝えづらいが、なかなかお洒落な杖だ。彼のおじいちゃんがお遍路のために作ってくれたらしい。日本語も2年勉強したらしいが、とても上手だ。すごい!

私が朝からずっと歩いているのにも拘わらず、この時間まで誰にも会わず突然TNくんが現れたのは、彼は昨夜宿に泊まっていて、昼前くらいに出発したかららしい。なるほどと思った。彼も野宿しているという。20分くらい話をして、彼は私を追い越して行った。

(TNくんとは後に再会することとなる!)

33km地点の宍喰温泉の道の駅についたのが16:30頃。温泉に入って休憩した。

温泉出たらもう外は真っ暗。宍喰温泉の道の駅は野宿禁止だし、やはり東洋町まで行くしかない。あと4kmだ。

海の駅があって、その横に津波避難タワーがある。そこでテントが張れると、昨晩の日和佐の逆打ち野宿おじさんが教えてくれた。近くにスーパーもあるから食料も調達できるという。

そうしてなんとか辿り着く。19:30頃海岸のベンチで夕飯。

ソロキャンを展開していく。が、疲れすぎて普通に辛いだけ笑

スーパーで買った惣菜とカレー飯。朝用でご飯も買った。

歯磨きも済ましてテントを張る。

こんな感じ。テントかわいい。

人の出入りが常に無いような場所の野宿は怖い。慣れてないのもあるが、寝てて人が近づいてきたらとか、夜中誰もいないはずの避難タワーから足音が聞こえてきたらとか色々想像してしまう。実際に1人でやって見て分かったけれどめっちゃ怖いのだ。恐怖に打ち勝つのもお遍路なのか?

 

ブログをテントの中で毎日更新しようと思ってたけど、そんな余裕は1ミリも無かった。

明日の計画を立てるのすらしんどい。今日はかなり頑張ったのだから仕方ないか。

明日は今日よりもっと早く出発しなくてはなので直ぐに横になった。明日中に最御崎寺に辿り着けるか、無理ならその手前で野宿だ。膝は問題なかったけど、ほんとにこの先やっていけるのか不安だ。

 

疲れているのに寝付くまで時間がかかった気がする。夜中も何度か目を覚ました。緊張しているのだろう。目の前が海岸なので波の音がよく聞こえる。普段の生活で寝る時にこんな波打ち際の音はまず聞けないだろう。煩わしいようでもあるが、自然の中にいることを実感させられる。小学生の頃、家族で海沿いのキャンプ場によく行ったことを思い出した。あの時と同じ音が聞こえる。海の音だ。

もし万一、夜中地震があれば、避難タワーを駆けあがろう。

そんなことを考えているうちに寝てしまっていた。

 

こういう海岸の音を間近に聞きながら寝たのは、お遍路において最初で最後だった。

宿に泊まっていたら味わえなかった時間だ。

 

 

明日に続く。