29日目(52番〜54番)11月22日
◯歩数 74209歩
◯距離 約55km
◯宿 今治アーバンホテル(旅行支援割利用)
◯出費
・食費 1765円
・ビジホ素泊まり 3300円
本日、55km爆歩。
お遍路、最長歩行距離更新。歩数更新。やりました。間に合いました。
こんなに歩けるのは、間違いなく健康で健脚だからだ。そしてこんなに丈夫な身体で産んでくれた両親に感謝。
学生時代、体育の成績はずっと3だったし、部活も文化部だったけど、お遍路は歩けます。
朝5時半くらいに出発。52番太山寺まで10キロ近くある。7時ちょうどに着けるように出たかったけど、出発が遅れてしまった。
7時半着。
本堂まで少し距離がある上、急勾配な坂を上がる。
本堂は鎌倉時代建立らしい。
納経所の近くに貼ってあった。ふむ、なるほど。
納経を済ませ、急いで出発しようとした矢先、境内にいた警備員のおばちゃんに声をかけられる。結論から言うと、多分この人お遍路狙いの詐欺師だと思われる。
少し話をする。目の前の祠?みたいなところにたくさん貼ってある納め札を指差し、あれの色がついているやつは、ご利益があるから持って帰っていいのよとか言い出す。非常に違和感を覚える。(勝手に取っていいわけが無い。後になって知るが、納め札はその人の願いが込められていて、それを奪うことになるため、勝手に持ち去ることはタブーだ)
で、今日はどこで泊まるんかと聞かれ、今治あたりのビジホを考えていると言うと、家に泊まれと言い出す。その時は、これが善根宿か〜と思い話を適当に合わせていた。が、そもそも赤の他人である。危ない人かもわからない。今日どこまで行けるかも分からないので正直この話している時間が惜しい。相手の話に適当に合わせていると、おばちゃんの電話番号を言われ夕方迎えに行くから電話をかけてくれと。早く終わらせたかったのでとりあえずかけてしまった、が、この時だけ何故か圏外になっていたので助かった。着信履歴がおばちゃんにつかなかったので、番号を知られずに済んだ。
でその後、また後で電話してねと言われる。わかりましたと適当に返事をする。
一番違和感を感じたのは、そのおばちゃんの次の台詞。「私はもう30年間こうして警備員をやってるけどね、一度だって人を騙したことなんかないんだからね」と・・・
怪しい・・・
嘘をついたかどうかは別にせよ、一般的に考えて、このような台詞を聞いた相手が怪しむというのは極自然な思考だと思うので、この人は多分それを想定できていないことになる。もしくは本当の聖者なのか??
と言うわけで、最初は善根宿もありかもとか思ったけど一気に冷める。
たまたま出会って話が盛り上がって、今日うち泊まって行ってもいいぞ!とかなら自然な流れで分かるが、今回のこれは、最初から家に招待されているじゃないか。
(ぼくは小学生の時知らない人に着いていっちゃいけませんと習ったもん!)
おばちゃんと別れて、歩きながら冷静になって考えてみたら怪しい点しかない。
あの時電話かけさせたのは、相手の番号を知る詐欺の常套手段でもありそうだ。山の中でもないのにたまたま圏外だったのが運が良かった。弘法大師が守ってくれたのかも笑
本当のところは分からないけど、実際、お遍路さんを狙った詐欺とか盗難は結構あるみたいなので注意が必要。今回もそのリスクを背負う程、困っているわけでは全くない。困っていたとしても、背負いたくない。
そんなことを考えていたら寺に着く。
8:50着、境内でまたおばちゃんに声をかけられ、りんごを貰う。
ナイフ持ってないですって言うと、かじればええやんと言われる笑
くっ・・・ありがたいが、今から30キロ以上歩くのに荷物が増えてしまった・・・
ここから次の寺までの34キロを17時までに着かないといけない。時間は9時を過ぎている。歩き続ければいける。
こんな感じで海岸沿いと県道をひたすら歩く。
11時頃、また豚太郎でランチ。
このあと、地図をちゃん見ていなかったので、若干遠回りの海岸沿いの国道を進んでしまい、道の駅「風和里」で休憩する。で、この時何時だったのか微妙なんだけど、もう休憩している時間がないことに気づく。マジで歩き続けないと間に合わない。
ここからウォーキングハイモード突入。
時速5キロ以上で歩き続ける。足がめちゃくちゃしんどい、が、進まないと間に合わない。
途中何度かベンチで数分間の休憩はしたが、それ以外は歩きっぱなしだった。
歩道を歩いていても、突然その歩道が途切れ反対側に現れて、渡る必要が出てくることがよくある。そうすると横断歩道がそばにあるときは良いけど無い時は、車の流れが途切れるまで待たなくてはいけない。なかなか途切れずもどかしい。そして気持ちがどんどん焦る。「間に合わんぞ!!」と何度も叫んでいた笑
本当に間に合わない。
マジで間に合わない。
間に合わないと何が問題かというと、今日結局は今治まで着かないと宿がないので、そこまで行くと、明日少し戻るような形になり合計6キロくらい無駄な動きをすることになる。
まあ、6キロくらいと思うかもしれないが、毎日毎日歩いているので、どうしても無駄な歩きが嫌になってくる。加えて、その差が、次の日その次の日と、予定がどんどんずれていくことになる。
と言うわけで、ぼくはあの時間珍しく必死でした。
歩きながらこんなことをふと思い出した。あれはまだ私が浪人生だった頃、どこかの合格体験記で読んだ言葉。
「頑張っても頑張らなくても結果は一緒なら、私は最後まで諦めずに頑張りたい」
そうして頑張り続けた彼女は見事志望校に合格。
一方、当時の私は頑張れませんでしたよと。勿論、大学にも、受かりませんでしたよと。
どうして今こんなことを思い出したのか分からないが、今頑張って歩き続ければ間に合うかも分からない。仮に間に合わなかったとしても、全力で歩きたい。そう思う自分がいる。(お遍路序盤毎日帰りたいと思っていたのに!)
そして途中、歩くのを通り越して小走りになったりする。膝への負担を考え、ちょっとだけね。
そして・・・・・
延命寺、16:40着。 「命を延ばす寺」・・・良い名前だ。
・・・・間に合った。間に合ったで!!
本堂と大師堂両方でお経も読めて、納経してもらう。
荷物を軽くしたら、達成感無くなってしまうんじゃないかと危惧していたが、そんなことはない。その荷物の重さに合わせた、自分の限界に挑めば達成感は湧いてくる。得られる。
疲れたので、暗くなりかけた駐車場でおにぎりを食べて少し休憩。
ビジホも駅前のを予約して出発。
で、また道を間違えて、遠回りをする。
18:20アーバンホテル着。
ここまでで52キロ。えぐい・・・
今日はアプリで記録していた。休憩の度に一時停止して、何度かそれを忘れて、歩き始めてしばらく経ってから解除することがあった。加えて、夜、ご飯屋さんを探しに街を彷徨ったのでプラス3キロくらいかな。合計55キロ。よく頑張った。
やってる店が無さすぎて、駅前の温泉の食堂で夕飯を食べた。
そういえば岡さんには会わなかったな。今日追い越してしまったのかもしれない。
今日は誰にも会わなかった。
明日へ続け!